★ 「基本的な生活習慣」に対する意識と子育て状況は… 「基本的生活習慣」や「生活リズム」に対する意識の高い家庭が多く,子どもとのコミュニケーションも大切にしているようです。悩みとしては「心のしつけ」,そして,子どもとの会話やコミュニケーションをとる場としては食事時間をあげる保護者が多く,心の教育の面からも「食育」の大切さを感じます。
核家族化が進む中,「主にしつけをするのは両親で」という意識の家庭が減少し,母親の負担がより大きくなっています。さらに,「育児を助け合える人がいない」という家庭もあり,地域社会での子育てができにくくなっているという現状がうかがえます。
★ 子どもの「睡眠」に対する意識とその状況は… 「起床7時,就寝9時,睡眠10時間」という家庭が多く,規則正しい生活です。これは,幼稚園や保育園の生活に合わせた生活リズムを心がけているともいえそうです。しかし,14年前と比較すると就寝時刻が遅くなり起床時刻が早まっているという傾向から,睡眠時間が減少してきているという実態も見られます。
また,昭和57年度の調査記録をみると「生活リズムがくずれている」という心配がされていますが,そのときの就床時刻をみると「8時前24%」「8時〜8時30分26.9%」となっており,半数以上の子どもが8時30分までに就床しています。それと比べると,現在の方が就寝時刻は遅くなっていますが,9時就寝を適切な時刻としている保護者が多く,時代の変化を感じます。
子どもの就寝については,ほとんどの家庭で親が関わって寝かしつけています。子どもの生活リズムをつくるためには,やはり親の働きかけや関わりが大切といえそうです。
★ 子どもの「食事」に対する意識とその状況は… ほとんどの家庭が,朝食をきちんと食べさせています。しかし,子どもが食べたがらないから食べないことがあるという実態もあり,気になるところです。また,おやつはほとんどが市販のものですが,食事に関してはインスタント食品等に頼るのではなく上手に利用しているようです。
食事の約束ではマナーに気をつけ会話を楽しむ様子がうかがえます。しかし,「テレビを見ない」とする家庭が25年前の半分に減りテレビが生活の中で大きな位置を占めてきている事や,子どもの習い事と食事時間との関係も感じられ,社会の変化と家庭生活の変化の密接な関係がうかがわれます。
食育基本法ができ,色々な場で食を見直し大切にする取り組みが進められていますが,家庭生活においても子どもの心身ともに健やかな成長のために,食に対する意識をより高めていくことが必要ではないでしょうか。
★ 子どもの「遊びや体力づくり」に対する意識とその状況は… 園以外での外遊びは週2〜4日という家庭が多く,幼稚園や保育園での外遊びの重要性を感じます。また,昨年度の調査報告と同様,主な外遊びの中にゲームも登場しています。テレビ・ビデオ・テレビゲームの時間を見ても,それらは子ども達の生活に大きな関わりを持ってきているようです。
歩く機会や子どもの体力をつけるために心がけていることの1番は,共に外遊びでした。子どもを取り巻く環境が変化し安全に対する不安も大きくなっていることを考えると,昔のようにただ単に「暗くなるまで外で遊んでおいで!」という訳にはいきません。子どもの体力の低下が懸念されている現在,外遊びや体力づくりに対しても,周囲の大人が意識して関わっていくことが必要になってきているようです。
★ 子どもの「心の健康」に対する意識とその状況は… 親子の会話を心がけている家庭が多く,その傾向は年々増加しています。一方,子どもに決まった手伝いをさせている家庭は減少しており,子どもに「家族の一員として自分の役割を果たす」という気持ちが芽生えにくいのではという懸念があります。
「忍耐力としつけ」という観点からは,頭ごなしに怒るのではなく,子どもときちんと向き合い納得できるように話すという親の姿勢がうかがえます。一方,「たたく」「叱る」が激減しているのは,社会的に「体罰」「児童虐待」等の問題が大きく報じられている影響もあるのでしょうか。
お年寄りや地域の人とふれあう機会がないという家庭が多く,子育ての孤立化が感じられます。「育児を助け合える人がいない」ということも考え合わせると,柏市においても地域におけける人間関係の希薄化が進んでいるという実態があるようです。子どもの心の教育という面だけでなく,子どもの安全を確保しゆとりのある育児をするためにも,大人が地域社会に進んで関わっていくことがこれからの課題といえるのではないでしょうか。
★ まとめ ★ 以上のことから,柏市における幼児のいる家庭では子どもの「基本的な生活習慣」や「生活リズム」に対する意識は高いといえるでしょう。しかし,社会の変化を受けて人々の価値観や生活様式が多様化し,人間関係の希薄化や大人優先の社会風潮をもたらし,そのことが子どもの「基本的な生活習慣」や「生活リズム」にも影響を及ぼしてきているという実態もみられます。
また,食育・体力づくり・心の教育…どれも大切なことですが,子どもの健やかな成長については家庭教育が基本とはいえ,全てにおいて親の負担が大きくなってきています。保護者が少しでもゆとりをもって楽しく育児ができるように地域社会で支えていくと同時に,親自身が地域に積極的に関わっていく必要がありそうです。