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ア. 流域下水道とは 市町村の境界(さかい)にとらわれることなく、一つの川や湖、沼などの流域にある、二つ以上の市町村の地下にある公共下水道から流れてくる下水(汚水=汚れた水)をまとめて集め、それを浄化する(きれいにする)終末処理場という場所に送り、浄化した水を川や海などの公共用水域に放流する大がかりな下水道の仕組みのことです。 |
イ. 手賀沼流域下水道の様子 手賀沼流域は、東京からとても近く、通勤や通学に便利なため、近頃では人口がとても増えている地域です。 手賀沼は古くから内水面(川、沼、池など)漁業、農業用水、観光面等で広く利用され、とても貴重な水資源となっています。しかし、最近では、住宅や工場からの排水による沼の汚染(汚れ)がひどく、年々水質が悪くなり、水資源としての価値が低くなってきていました。 |
昭和45年9月に公害対策基本法という国の法律(きまり)により、手賀沼の水質の汚染はBとされ、ハのように浄化することを求められました。 | |
そこで、この対策の一つとして手賀沼の流域内の7市(柏、松戸、流山、我孫子、鎌ヶ谷、印西、白井)1町(沼南)に流域下水道を敷設し、各地域の住宅や工場から出された下水を集め、終末処理場で十分に処理し、浄化してから、利根川へ放流する流域下水道の計画が立てられました。 昭和47年3月手賀沼流域下水道としての事業が開始されることになり、さらに昭和56年4月に我孫子市相島新田に手賀沼終末処理場が完成し、下水の処理が始まり、今では7市1町の下水を浄化し、1日平均約23万6千m3もの浄化した水を放流渠(地下に埋められた放流のための管)から利根川へ放流する能力があります。 |
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ウ. 広がる手賀沼流域下水道事業 手賀沼流域下水道の管は幹線管渠かんきょといい、内径が40cmから3m20cmもある管が、平成14年度末には65.1kmにもわたり、この流域の地下に敷設されています。その管の中を下水が流れ、そして終末処理場に運ばれるようになっています。 |
A 処理面積 手賀沼流域下水道の整備によって、下水を手賀沼終末処理場できれいに処理できる地域は年々増え、平成14年度で約46%になりました。 |
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B 処理区域内人口及び水洗化人口 手賀沼流域下水道の処理区域内流域に住んでいる人々は、処理区域内人口と言い、そのうち、現在下水道を利用している人々を水洗化人口といいます。 平成14年度では処理区域内人口は45万7千人、水洗化人口は41万3千人になりました。 |
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C 水洗化率 水洗化率とは、処理区域内の人口に対する水洗化人口の割合を示します。平成13年度に水洗化率が90%を超えました。 |
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D 流域下水道の普及率 普及率とは、各市町の人口に対する処理区域内人口の割合を示します。 なお、千葉県全体の下水道普及率は59.6%です。 資料に 「沼南町」がありますが、平成17年3月28日に柏市と沼南町が合併して柏市になっています。 |
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エ. これからの手賀沼流域下水道 総額約2,310億円という費用をかけ、平成29年度までの全体計画を完了するとおおよそ次のような目標が達成されます。 |
手賀沼流域下水道の敷設がさらに広がり、下水の浄化は進みますが、何よりも大切なことは、そこに生活する人達が日頃から水質を汚染させないための次のような努力が必要です。 | |
○ 台所の調理くずは流しません。 ・ 調理くずは目の細かい 「三角コーナー」 などで受け、 流さないようにします。 |
○ 廃棄物を捨てません。 ・ 紙おむつ、生理用品、ビニール製品 などは下水管を詰まらせる原因に なります。 |
○ 使用済みの食用油は流しに捨てず、 別に処理します。 ・ 油を新聞紙等でふき取ってから 洗いましょう。 |
○ トイレに溶けない紙を流しません。 ・ トイレットペーパー以外の紙は、 目詰まりの原因になります。 |
○ 洗剤の使用に注意します。 ・ 洗剤は正しく量をはかって 使いすぎないようにしましょう。 |
○ マンホールの「ふた」をあけません。 ・ 汚水ますや雨水ますの「ふた」を開ける ことはとても危険です。また、事故や 大雨の際に下水があふれる原因にも なります。 |
☆ 「 手賀沼流域下水道 」 千葉県下水道公社 パンフレットより (平成18年3月作成)
千葉県下水道公社の了解を得て掲載しました。